精神医学「5月増大号」に解説記事を執筆しました

精神医学5月増大号に院長が解説記事を執筆致しました。「いま、知っておきたい発達障害」と題した特集号で、発達障害に詳しい全国の先生方が98の質問に答える形式で発達障害に対する理解を深めようという趣旨の号です。

執筆依頼を頂いたのは、難しいお題ですが「ARMSの専門家の立場からは発達障害はどのように捉えていますか?」という質問に対する回答と解説です。

院長は大学病院でARMS(統合失調症などの精神病性障害を近い将来に発症する可能性のある人たちを早期発見することを目指した概念)に対する専門外来での診療を行いながら、これを研究の対象としてきました。統合失調症やその他の精神障害にしてもそうなのですが、ARMSを呈した人の中には発達障害の特徴がみられる人が少なくありません。また、発達障害の人の中にもARMSと思われる症状を見せる人が多くいらっしゃいます。この重なりを臨床上どう捉えるか、生物学的にどう考えるか、そしてARMSと発達障害の両方の症状や特徴を呈した人に出会ったら、治療者はどうするべきか、本稿はそんな問いに答える内容になっています。

 

ARMSの診療を通して院長が大切だと思っているのは、特に若い人や症状が短期間だった場合には、統合失調症のような症状を見せたとしても、短絡的に統合失調症であると診断を決めつけないこと、不要な事例には抗精神病薬治療をしないことです。理屈っぽくなってしまいますが・・・学んできたことを患者さんに還元していければ、と思っています。

 

Canalはちょっとした出版ラッシュです。今後もいくつかスタッフの仕事を紹介させて頂ければと思います。