医学誌「精神医学」より依頼を頂き、特集論文を執筆致しました。学校教育において精神疾患を「自分のこと」として教育する、というテーマの中で、私が長年取り組んできたアットリスク精神状態(統合失調症などの精神病性障害を近い未来に発症するかもしれないリスク状態で、ARMSやこころのリスク状態などとも呼ばれるもの)の教育についての記事を書かせて頂きました。
最近ようやく高校生の学習指導要領の中に精神疾患に関する教育が含められたことからも分かるように、予防精神医学の観点からは高校生を中心とする若い世代の方に対して、上手にこの領域についての啓発を行っていくことは重要な課題だと思います。ただ・・・精神医学の専門家であっても誤解しがちなアットリスク精神状態のことを高校生自身に理解してもらう、というお題は相当にハードルが高く、今回の執筆には頭を悩ませました。それでも、日々の悩みとは一線を画する明らかな精神疾患の徴候に気付けるようになること、困った時に適切な相手に相談ができるようになること、精神的な健康を保つための対人的、環境的、生活的な工夫などは、あらゆる精神疾患の予防において重要なことだと思います。
なかなか誰もが手に取るような雑誌ではないと思いますが、批判的にご意見頂ければと思います。